>> 一覧ページ  >オープニング自主上映会  映画鑑賞後の感想 2012年08月23日(木)

オープニング自主上映会  映画鑑賞後の感想

★「for himではなくwith him」・・・誰もが心を揺さぶられる映画★
オープニング上映会、参加させていただきました。
とてもいい映画でした。
久しぶりに、本当に感動でした。
精神障害を持つ人たち、その家族、支援する人たち、その家族・・・
いろいろな状況が描かれていて、人が生きる現実をあらためて考えました。
精神障害を持つ人たちと、共に生きる・・ということ、
「for himではなくwith him」であるということが
どの画面からも感じられて、私たちにバトンが手渡された気がします。
大学の大教室で、プロジェクター用の小ぶりなスクリーンに映し出された映像を、
それぞれが食い入るように見つめながら、少し涙したり、笑ったり、
最後には全員で拍手が起こりました。
この涙って、人間への涙なんだなあ・・と思いました。
今後の上映も、きっと誰もの心を揺さぶっていくような気がします。
ありがとうございました。
(東京都 小島操様)

★ただのハッピーエンドではないリカバリーの物語★
先日のリカバリーフォーラム前夜祭での初回上映、
想像以上に、パワフルでした。それぞれの立場の人々の想い、そして動かそうとする力・・・
そこにはリカバリーの物語があり、そして決してただのハッピーエンドではないルポとして、
現実的な世界をみせてくれるものがあり。
そして、その世界を創る、現していくのは、わたし達です。
(広島県 湯原多香子様)

★治療とは何か?人間らしさとは何か?医療の枠を超えて文化のレベルでの対話や交流を!★
観終わって「疲れた」というのが正直なところです。人が生きるってこんなに色んなことがあるんだなと思いました。
私は精神科医ですが、心の病気や障害を持つ人が、「どのようになる」のを支えるのが自分の仕事だろうかと思うことがよくあります。なぜなら、病気をもつ彼らにも思慮深い優しさや、深い悲しみを感じている部分があり、決してそれは治療の対象ではなく、自然なことであり、そのままであり続けて欲しいと思うことがあるからです。むしろ私のほうが、癒され、改めて心の奥深さに気づかされることが多いからです。
そして「治療とは何か」という問にもぶつかることがよくあります。バザーリアは「自由こそ治療だ」と言い切っているのがすごいと思います。まだ、私には充分その意味は分かっていないように感じますが、良い部分は伸ばし、人との関係をとるのに困難となっている障害や病気の部分をどう乗り越えるかということについては、百人いれば百種類の方法があり、それを共に考えていくことが本来の人間らしい治療なのではないかと感じました。
障がい者が苦労すること、家族が苦労すること、支援者が苦労すること、街の人が苦労すること、これらは失敗だと捉える人もいると思います。そいう人の眼にはこの映画はどんな風に映ったのか。
私は苦労することは人間らしい自然なことだと思います。私自身は病気ではありませんが、苦労をしていないか、というとそれは違います。苦労を通して、人との関係が強まり、自分のことがよく分かっていくように感じます。そして、生きることを楽しんでいるように思います。もちろん、疲れないわけではない。映画を観終わったあとの「疲れたな」というのはそれに近い疲れのような気がします。
その苦労がなく、蓋をされている方が楽だと思うときもあると思います。しかし、それは苦労をする勇気がなかったり、人との関係を作れる自信がなかったり、自分には何もできないと感じている時にそうなるように思います。この映画ではそのような状況が決して本人の要素だけではなく、家族や支援者、ましてはそこに生きる文化や経験、人の考え方による影響が大きいのではないかと提言しているように感じました。
つまりは医者・医療の力だけではなく、もっと大きなレベルで文化にも訴えていく必要があるのだと思います。訴えるというよりも、交流するという方がよいのでしょうか。交流することで誰もが蓋をせずに向き合うための勇気や仲間や希望が見えてくる可能性を感じました。
これから私は、これまでの日本の精神医療の歴史を踏まえ、新たな世代として「病院」という枠を超えて、気持ちをひとつにできるような対話や交流する場を作っていくことができたらと考えています。
(千葉県 藤井和世様)

★イタリア精神保健の歴史的転換点を描いた第一級の映画★
 戦争がらみの恐ろしい事件によって心を閉ざしたボリス。溢れすぎるエネルギーを上手く扱えなかったマルゲリータ。二人が病者として幽閉された精神病院で、院長としてその人間的苦悩と向き合い、心の鎖を解いていくバザーリア。この哲学者然とした精神科医は、「生きる苦悩が極大化した人々」にとことん寄り沿っていく。若きトリエステ県知事ザネッティが「白紙委任状」を条件にバザーリアを院長に招いたところから、トリエステの精神病院解体が始まり、ついには180号法という国中の精神病院を廃止する法律の制定にまでこぎ着ける。イタリア精神保健のパラダイムシフトの歴史的転換点を描いた点で、一級のドキュメンタリー的要素もある。僕は、バザーリアに惚れた。 
(山梨県 竹端寛様)
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